ヘアスタイルは髪の毛の積み重ねで作られる。
その細かい髪の毛は縦や横、斜めから繊細なバランスを保とうとしている。
そこに本来あるべきはずの髪が無い部分があったとしたら、バランスが崩れてしまう事は想像に難くない。
積み木を例にするが、重さと軽さのバランスが崩れてしまえば積み木自体が崩壊する。
ヘアスタイルにも同様に近い感覚があり、それぞれの重さと軽さのバランスが崩れるとアンバランス髪型になってしまうだろう。
過度な削ぎ(梳き)はヘアスタイルのバランスを崩す
このブログでも何度も言っているかもしれないが、削ぎ(梳き)過ぎたヘアスタイルはその”カタチ”が歪になり、またパサパサした良くない質感になってしまう事が多い。
くせ毛をどうにかしてくれるのでは?と期待して来て頂いた横浜のKさん。
他店にて、「くせ毛はいっぱい梳けばいいんだよ」とバッキバキに梳いてある雰囲気だ。
この状態を見て、いかがだろうか?
辛口だと思うが
これでは”くせ毛を活かす”というより
”くせ毛が死んでいる”と言わざるを得ない。
感じるだろうか?
このパサパサ感と上の部分と下の部分のアンバランスを。
上の部分が重く、下の部分が軽すぎる。
「なんかヘアスタイルが決まらなくて、なんでだろう…」
ゲストの声の通りである。
髪の上部分はこれだけの厚みがある(重い)
対して、髪の下部分は
スカスカに梳いてある(軽すぎる)
バランスの悪いヘアスタイルを少しでもバランスを良くする
ゲストには思い切って、ショート風はどうか?というより提案もしたが
- お見合いの直前なので、髪を短くできない
- 髪を縛れる長さを残したい
との条件があり、その中でどれくらい今の状態からバランスを良くできるのかを手探りで探していった。
<レシピ>
- 下の髪の長さを少しでも切らせて頂く。
- 上の髪の部分の重さを軽くする。
下の長さを少しだけ短くさせて頂き、スカスカになった髪にわずかながら”厚み”が出た。
本当はもっと切らせて頂きたかったのが本音ではあるが…
そして上の重い部分は
before ドンっと重い。
after 髪が重なるように軽くなった。
before 全体 …なにか野暮ったい
特に髪の真ん中辺りに重みとパサつきが目立つ
after 全体
バァーッとドライヤーで乾かし、ムースをもみ込んだだけのお手軽スタイリングにさせて頂いた。
髪の上と下の重さのバランスが整ったように見えるのではないだろうか?
また、髪の真ん中辺りにあった変な重さとパサつきも和らげる事ができたと思う。
ヘアスタイルの重さと軽さのバランスがとても重要な事がわかって頂けたのではないだろうか。