ここまできたら、もはや
気迫でカットする以外ない。
『毛先だけ、
チョコっと切ってその場を乗り切ろう…』
そんな逃げの選択は全く通用しない
難易度がとにかく高い髪の状態。
もはや、これは
スーパーセル(巨大積乱雲)
からのゲリラ豪雨
暗雲立ち込める雰囲気を切り崩す!
前途多難。
まさに美容師泣かせ。
そんな言葉がピッタリの
<before>
根元は雲のようにモリモリ
毛先は豪雨のように真っ直ぐに
まさにこれは
スーパーセル(巨大積乱雲)
からのゲリラ豪雨!!
髪が泣いている。
泣いているよ。
涙だ。
まるで大雨だ。
髪から泣き声が聞こえてくるようだ。
今回のゲストのオーダーは、この強いくせ毛と縮毛矯正のミックスした
非常に難しいくせ毛を活かす事。
…
聞き間違い?
そう
心底思いたい.,
スーパーセル(巨大積乱雲)
からのプレッシャーという名の雷雨で
とうとう耳までおかしくなってしまった
のか…
と自分の気持ちに封をして
一心不乱にカットをしていった。
<after>
晴れたのか?
あのスーパーセル(巨大積乱雲)は
一体どこへ行った??
まるで
ゲリラ豪雨が過ぎ去った後のように
ピッカピカに晴れ
髪から『ありがとうございます』
とお礼を言われているようだ。
スタイリングは
くせ毛用ジュレを揉み込んで
自然乾燥させた。
もう一度<before><after>を見てみよう。
今回は縮毛矯正をやめて
1年以上経っているので
このような結果が出たのだが
前回の縮毛矯正から
まだ時間が経過していなければ
こうはならない。
一度で結果が欲しい気持ちは
痛いほどわかるが
年季の入った縮毛矯正毛は
そう生易しいものではないのだ。
何事もワンクリックで済むものではない。
コテやアイロンなどで
スタイリングを頻繁にして頂ければ
別な話になるが。
しかし
状態が整ったのなら
チャレンジする価値は十分にある。
すべての個性には”自らの美”がある。
それを活かしてあげられるか否かは
美容師の技術の向上が生命線。
技術を磨き、自分自身を磨く事を
自分は決して忘れてはいけないのである。