縮毛矯正をやめるなら
自分のくせ毛と向き合う必要がある。
なぜなら、縮毛矯正をした髪は本当の自分の髪の毛ではないからだ。
縮毛矯正というメッキが剥がれた後に残るのは、自分自身のくせ毛以外なにものでもない。
ようこそ、くせ毛ワールドへ。
縮毛矯正をやめる第一歩を踏み出すのは、勇気がいるものだ。 何十年と美容室といえば縮毛矯正というサークルに入っていたのだから仕方ない事。
でも、その第一歩を踏み出した事が大きな意味があると思う。
僕は、自分の髪質を最大限に活かす事ができるよう、日々髪の事を考え、毎日いろんなくせ毛を観察している。
それは、くせ毛や髪に悩んでいる人を何とかしたいからだ。 何とかしてあげたいというよりも、何とかしたいという自分のエゴなのかもしれない。
過去に美容師に難しいと言われた髪をパッと素敵にしたい。
でも、お客さんあっての美容師。僕のエゴだけでは素敵な髪型にはならない。髪が素敵になって、お客さんの表情が変化して初めて本当に素敵な髪型、似合っている髪型になるのだとおもうからだ。 かといって、お客さんの要望通りやっても失敗が目に見える場合は言うことは聞かない。
一回のカットでくせ毛が活かせる場合もあるが、年単位でお客さんと二人三脚で素敵な髪型を作っていく場合の方が多い。
お客さんに協力してもらいながら、一緒にヘアスタイルを作っていく。
自分の髪を心から好きになってほしい。今すぐとはいかなくても、じっくり自分の髪と向き合い、だんだん好きになっていってくれればいい。
髪がペチャンコになるなら、ボリュームを出してやろう。
髪にボリュームが出過ぎるなら、ボリュームを抑えてやろう。
くせ毛がまとまらないなら、なんとかまとめよう。
ストレートヘアがつまらないなら、動きを出そう。
お客さんが毎日幸せに感じられるヘアスタイルを作るために、自分はカットの訓練に時間をさいているのだ。
今日も自分の髪と向き合おうとするゲストと出会った。
ここからどう変化していくのか、僕自身が試され、楽しみだ。
三浦 和幸