最初に決めたスタイルを変えないワケ
髪を切っていると
途中からゲストのチョッカイが
ある場合がある。
優しい美容師なら
そのチョッカイに構ってあげる
かもしれないが
僕は目の前のヘアスタイルに
夢中になっているので
話を聞き流す事が多い。
最初に決めたヘアスタイルを変えない
ゲストは
僕が髪を切っている途中で判断して
「もっと切りたい」
と言うかもしれない。
しかし、
僕のカットは下から積み重なって
形になるスタイルなので
まだ切り始めあたりでは
その先を想像する事ができないだろう。
仮に想像して言っていたとしても
僕が
考えに考えてそう切っているとは
思えないのだろう。
最初に設定した髪の長さを変えないのは
ヘアスタイルが最後まで出来上がったら
見えかたが大きく変わるからだ。
もともと
ゲストと相談して決めたヘアスタイル。
それを作るための途中工程。
レシピは僕の頭の中だ。
しかし
そのレシピを途中で変えるということは
和風味にしようと醤油を入れた途端に
洋風に変えようとそこにケチャップを
混ぜてしまうようなもの。
結果は
マズイ飯の出来上がりだ。
だから
多少ゲストに嫌悪感を感じさせても
あえて最後まで切らせて頂いているのが
僕のスタンス。
仮に途中で変えて、
変なヘアスタイルになっても
結局下手な美容師とよばれるのは自分。
絶対に下手な美容師には
なりたくない。
髪に関しては
多少頑固な美容師でいるくらいで
丁度いい。