美容師は技術職
これは前々から自分が思い続けている事。
美容師は技術があり
その上で
接客的な要素などが
枝葉のようにプラスされる職だ。
美容師は一番大切にすべき
技術を信じなくては
どうにもならないのだ。
カット技術の重要性
カット技術は
ヘアスタイルを形作る技術。
現代はカットはヘアスタイルを作る
基本中の基本。
ここまでは
どんな美容師も信じて疑わないハズ。
しかし
ただカットするだけなら
ただ形を作るだけにもなる。
カットの重要性や
カットの可能性を信じない
美容師も少なくないのではないだろうか。
形を作る先にあるものは?
例えばカットをしたら
髪が柔らかくなった
髪に弾力感、躍動感が出た
まとまりが良くなった
周りから気がつかれた
実際自分が担当するゲストからは
よくこんな声が聞こえてくるのだ。
これは、
ただなんとなく
髪を切っているだけなら
決して起こりうることのない事だ。
「カットなんかで、髪質が変わるわけがない。
ただ切っているだけなのだから」
との声も外周から聞こえてきそうだが
そんな人の為に
例をあげようか。
刺身を一つ例に出そう。
生の魚は同じ包丁を使っても
素人とプロが刺身を作ったら
味はまるで違うのは昨今有名な話。
同じ魚種 同じ鮮度において
唯一違うのは、板前が信じて訓練してきた
魚を捌く技術・包丁の入れ方など。
味というのは
ただ味がするだけではない。
味覚と同時に、食感というものが
“うまい”
という言葉に含まれるもの。
味自体は同じ魚なのだから
素人が捌こうが、プロが捌こうが
変わらない。
しかし、
切り身の繊維質を考えた
切り方や職人の思いが”食感”をつくる
ものなのではないだろうか。
だからプロが捌く魚は
“うまい”
話を髪に戻そう。
ヘアスタイルはいい悪いは
見た目だけではわからない。
もちろん
見た目の形・デザインが
良いに越したことは無い。
その上で
実際に
その人がそのヘアスタイルを纏った時
体にフィットするような質感だったり
スッと引っかかることがないくらい
髪が空気みたいな質感だったり
刺身の食感と似たようなものだが
髪の質感もカット次第で雲泥の差が
生まれる。
いいヘアスタイルは
見た目のデザインとともに
髪の質感が良いものを言う。
そんな髪の質感を
追いかけていきたい。