<白髪抜き>
この世の中に、それだけで
商売が成り立つことは
全くもって知らなかった。
Hair Roomにカットしに来てくれるゲストが
2ヶ月に1度のペースで利用していると聞いて
その存在を初めて知った。
白髪抜き?
簡単にできるんじゃないか。
楽勝の気持ちで
白髪抜き屋に挑戦状を送りつけた。
いざ白髪抜きに挑戦
「白髪抜き」
と検索すると、白髪抜きのプロのお店が
トップページに出てくる。
10分1000円。
安いのか高いのか、
まだ本気に白髪抜きに挑戦していない自分には価格の価値は分からなかった。
だったら
この際白黒ハッキリさせよう。
<白髪抜きに挑戦>
戦いのゴングは鳴った。
プチッ
プチッ
一本、
また一本白髪を軽快に抜いていく。
細かくスライスを取って、
できるだけリズミカルに…
プチッ
プチッ
と、
こんなリズムでいきたい所なのだが
白髪の隣に生えている黒い髪に邪魔をされ
なかなかうまくいかない。
時に、
隣の黒い髪まで抜いてしまう。
プチッ
…
プチップチッ
ブッ
『あ、失敗した…』
ブチブチッ
『また失敗』
こんなんじゃ、
10分で20本
つまり1分に2本
しか抜けない計算になる。
ゲストは60分で400本の白髪を
白髪抜きのプロに抜いてもらうらしい。
つまり、
6分で40本
1分で6.6本
1分に2本 vs 1分で6.6本
白髪抜きのプロは
今の自分の3倍速で
目の前の白髪ジャングルを
かいくぐっている計算なのだ。
結果、
白髪抜きのプロには惨敗…
ナメていた。
完全に白髪抜きをナメていたよ。
10分1000円
この価格は破格だよ。
こんなに労力を使うなら
10分3000円の価値はあると思えてならない。
この戦い、
白髪抜きのプロには惨敗してしまった。
1RKOだ。
やはり
その道のプロはプロ。
白髪抜きを仕事にするレベルは凄過ぎる。
自分は
白髪抜きを仕事にできないだろうと。
プロに任せる領域は
プロに任せるしかないと悟った。