なんとも悲哀に満ちた髪だった。
縮毛矯正歴10数年。
やめたいやめたいと思っていても、いつもやめられない。
Hair Roomには、そのようなベテラン縮毛矯正歴のゲストが多く来店され、脱縮毛矯正にチャレンジして頂いている。
何故、縮毛矯正をやめたいのか
縮毛矯正歴10数年。
小学生の頃から縮毛矯正をかけてきた。
幼い頃より自分の髪にコンプレックスを持ち、対人関係にも遠慮がちになる。
自分に自信が無い。
自分から人に話しかけるように努力もしてみた。
自分に自信を持てるように、意識もしてみた。
でも、なかなかうまくはいかない。
そう簡単にうまくいくなら、すぐに人生変えられる。
何かを変えるきっかけになればと、長年続けてきた縮毛矯正をやめる決意をした。
<before>
縮毛矯正は約1年やっていない。
毛先には縮毛矯正特有のパッツン髪が残っている。
何か悲哀に満ちた雰囲気だったので話を伺うと
大学の時に苦労してやっと内定をもらった会社をわずか3ヶ月で休職に追い込まれた。
現在休職中…
あれだけ頑張った就職活動。
不甲斐ない気持ちから、さらに自分に自信がなくなっていく。
後悔が残らないかと言えばウソになるが、また会社に戻る事は考えられない。
自分が悪かったのか?
それとも会社が…
悲しい気持ちも怒りの気持ちも同時にこみ上げてくる。
気持ちは良くわかる。
僕にも過去に似たような状況があった。
いや、もしかしたらもっと良くない状況だったのかもしれない。
いろいろあったのだとは思う。
しかし、
もうクヨクヨしても始まらない。
縮毛矯正毛も、モヤモヤしたその気持ちも
全部スッパ切ってしまえばいい!!
自分の殻を破れ!!
次に進めばそれが勝ちだ!!
<after>
縮毛矯正を1年していなかったので、もしショートにカットすれば完全にくせ毛を活かしきれた。
でも、仮に縮毛矯正毛が毛先に残ったとしても縮毛矯正をやめられる爪跡を残せれば結果は満足!
との事で、髪の長さはゲストが好きなミディアムに。
毛先には縮毛矯正毛がまだまだ残っている。
スタイリングは髪を3〜4割水スプレーで濡らし、パーマ用ムースを揉みこんで弱風のドライヤーで髪を揉み込みながら乾かした。
毛先に縮毛矯正毛が残ってながらも、何とかくせ毛がパーマ風に見えるのではないだろうか。
もう一度<before><after>を見てみよう。
変化の兆しを十分に感じられる仕上がりになった。
当日の夜に、こちらのゲストからラインを頂いた。
大変嬉しい限りである。
また、翌日は
10数年ぶりの、今まで全くやった事のないようなスタイリング方法に少し戸惑っているようだ。
まぁ よくよく考えるとそれも妥当。
なんせ10数年ぶりの違うセット方法が1日でマスターできるなんていう事はあり得ない。
心も髪も、長年凝り固まった固定観念を突き破るには一皮も二皮も剥ける必要がある。
しかし、
その皮を突き破った時に見える景色は格別なものになるだろうと確信してやまない。
こちらの若いゲストには、人生の勝利者となって頂きたいと強く強く願う。