「自分の髪でショートヘアにできるなんて、思ってもみなかった」
言葉にできない想い。
言葉にしてはいけないという葛藤。
その
長年の<縛り>を今宵は切る。
そのイメージは一体誰が作ったのか?
「あなたのくせ毛は活かせるクセでは無い」
「くせ毛だからショートにすると爆発するよ」
「膨らまないのが最優先」
あなたはそう言われ続けてきた。
だから、そう信じてきた。
自分の髪を諦めていた。
しかし、
25年という長い歳月をかけて
やはり
自分の髪を信じてみたくなった。
一度
自分の髪の可能性を見たくてたまらなくなった。
「私、ショートにしたい..」
恐る恐るそう言っていた。
25年間、実現する事のなかったオーダー。
でも、今夜は違った。
「雰囲気的にショート似合いそう。
やってみよう」
呆気なかった。
私の中で『何かが崩れる音』が聞こえたような気がした。
<before>
無難なセミロング。
髪にコンプレックスのある人はセミロングが多いような気がする。
そんな人に限って、写真のように髪の内側がスカスカに梳かれていて逆に膨らんでいたりする。
スカスカなんだけど、膨らむ。最悪だ。
もう今の自分の髪に未練は無かった。
<<一刀両断>>
髪もコンプレックスも一気にカットさせて頂いた。
<after>
スタイリングはハンドドライの後、ワックスを揉みこんだ。
『何かが崩れる音』
それは25年分の自分の髪に対するコンプレックスだったのかもしれない。