【オートクチュールを感じるボブ】
ヘアスタイルを魅せるボブという選択肢
ボブは約5年前から定番ヘアスタイルに定着し、誰にでも合わせやすいと人気がとても高い。
反面、ボブはある意味同じような髪型になりがちで、なんとも面白さに欠けると考える人も多くいるのではないだろうか。
なぜ、ボブはみんな同じように見えるのだろうか
僕が観察して思う事は、
型にハマったものを美容師側がゲストにそのまま提供している点。
そのヘアスタイルが目の前にいるゲストにとって”良いのか悪いのか”が判断基準ではない。
大量生産みたいな感覚だろうか。
つまり、目の前のゲストの表情や骨格、くせ毛の度合いなどを無視したヘアスタイル作り
そもそも、日本の美容師はゲストの好みに合わせようと努力する。そんな、ゲストの好みとは…
せいぜい雑誌やネットに載っているヘアスタイルだ。
いい意味で真面目なんだろうけど、プロである美容師が素人のゲストのいいなりになってそのまま髪型をつくってしまうのだから何ともしょうもない。
だから巷にあふれる同じようなヘアスタイルになりやすいのではないだろか。
日本人が好む”協調性”が裏目に出た結果なのだ。
プロ目線がゲストをより引き立てる髪型を作る。
少しの”想い”があれば、目の前のゲストを良く観察し、そのゲストの悩みやスタイリング方法などを聞く事ができる。
そして、この人にはどこにボリュームがほしいのか、またいらないのかを細かく組み立てていける。
<after>
スタイリングはハンドドライのみ。
派手なヘアスタイルでは決してない。
だが、彼女にとてもフィットさせている。
こちらのゲストは顔の輪郭をサイドの長めの髪でカバーさせて頂いた。
後ろの長さに比べてサイドが長めの前下がりボブだ。
また、野暮ったくなりがちなバックのシルエットは丸みを意識している。
ちなみに、いまさら感は否めないのだが、彼女はくせ毛である。
一見くせ毛には見えないが、くせ毛を活かすように心を砕いて髪を切らせて頂いた。
そんな少しの”ゲストへの想い”で作った髪型はやはり【オートクチュール的】であり、作る側の美容師にも自分のイメージしたヘアスタイルができる喜びを味わえる格別さがあるものだ。