僕のカットへの思い
僕は不器用な人間です。
人の気持ちがわからない人だと
言われる事があります。
物事をすぐ忘れます。
人の名前も覚えられません。
ただ突き進む人間です。
父親からもらった唯一の言葉は
「貫け」
僕は何か信念を持つ仕事が好きです。
信念のない仕事に興味はありません。
ただ毎日早く仕事が終わることしか考えない
生き方は嫌いです。
お金を稼ぐ為だけに仕事をする事も
嫌いです。
雇われ根性は
偽物根性です。
仕事は生き方だと考えています。
僕の仕事は美容師。
美容技術の中心は
カット以外考えられません。
カットが美容師の技術の根幹なのです。
ヘアカラーもパーマも
カットのベースが良くないと
魅力に乏しくなります。
そんなカットの中のカット。
ニューヨークドライカットに出会い
僕の仕事は一変してしまいました。
カットがうまくいかない事はもちろん
あります。人間です。仕方ありません。
プロですが人間なのです。
失敗を正当化したくもなりますが
次につなげる為に
もっと上手くなるために研究材料にします。
毎月
毎日
カットで意識する事が目まぐるしく変わります。
切り方
髪の触り方
なんてのは表面的な事です。
ヘアスタイルに奥行きが出るには?
ツヤ感のある髪にするには?
まだまだ中間的です。
このヘアスタイルにしたら
この人はどうなるのか?
何か光るものがないのか?
もっとその人の内面から出てくる
ヘアスタイルを探す事はとても大変で
そこにヘアスタイルとカットの深さがあります。
でも
僕の気持ちがどこにあるのかで
ヘアスタイルを浅いところで探しているのか
もっと深く掘り下げて探しているのか
変わってきます。
カットするときは必死なので
結果は数ヶ月後にわかります。
だから僕は数ヶ月前は
どんな仕事をしていたのか
その日は何を意識してカットしたのかを
ノートに記入して忘れないようにしています。
ニューヨークドライカットを始めてから
Hair Roomは暇になる事は少なかったですが
この8月、9月と今までに無いくらい
予約の枠が空くようになりました。
それはお客さんも感じているようで、
「いつもより予約が取りやすくていいわ」
なんて言われるほどでした。
混んでいるときは
一ヶ月予約がビッシリだった事を経験
していたので
一体何が起こったのか
僕には理解できませんでした。
ハッキリ言ってショックでした。
8月は仕事面、生活面で大きな変化を
作りました。
僕の家は千葉の柏市にあり
柏駅から車で15分かかるような田舎にあります。
毎日、お世辞抜きで
通勤時間は往復3時間かかっていました。
通勤が長い人
通勤ラッシュにかかる人
は毎日の通勤でどれだけ一日の体力が
それで奪われるか知っています。
でも
それぞれ生活や経済面などから
職場に近いところへの引っ越しは
厳しいと感じていると思います。
僕も生活面と経済面の両方で
Hair Roomの近くの銀座界隈に住むのは
無理だと思っていました。
時間とお金を天秤にかけてみました。
時間は生命そのものであり
進んだ分は元に戻りません。
僕は多少無理を承知で
奥さんに納得してもらい
単身で銀座に住むことにしました。
夫婦の仲はとても良いです。
同じ信念を持つ同志であり
同じ趣味を持ち
味覚もまた近いです。
そんな仲の良い夫婦な分
別々の住居に住むなんて
側から見たら考えられないようです。
別居は一般的にマイナスイメージしか
ありません。
単身赴任は会社命令で仕方がありません。
僕は
好んで一人暮らしを始めました。
もちろん離婚はしませんし
これからも夫婦仲は良いでしょう。
毎日の通勤3時間分の体力を
お客様に向けるエネルギーに使う。
そうすることで
質の高い仕事
質の良いカットが
できるようになりました。
引っ越し費用は込みで約90万円
8月はお客さんにもっと快適に過ごしてほしい
からエアコンも最新にして40万円
ネットの整備、アプリを作成してもらい
75万円
美容師なので男だけど綺麗でいたいから
永久脱毛のヒゲと腕 35万円
追い討ちで所得税30万円
これが8月に一度にやってきました。
もともと金持ちではないので
お金はぶっ飛んでしまいました。
通帳は見るのが嫌になるくらい。
そんな中でHair Roomの予約が入らない。
精神的に参っちゃいましたよ。
でも人間
落ちたら上がるもので。
質の高いカットをしたお客さんが
再来しだしたのは今月から。
しかも周りの人がどこで切っているのか
興味を持ち、紹介客も来てくれ
この11月は元のように予約がかなり
入ってくるようになりました。
何のためにお金を使ったのかが明白
なので結果は当たり前なのかもしれません。
カットのノートを見ると
7月にカットしたお客さんが
かなりの割合でリターンしてきている事が
わかりました。
なので
7月に意識していた事を今のカットでも
とても意識しています。
そのためか
11月にカットした人の紹介が
とても多くてビックリしています。
通勤が楽な分、体力をお客さんに向けた
エネルギーとして還元された。
何かをやるには
何かを捨てなければ結果は出ません。
目の前のお客さんを
本当に綺麗にしたい。
今までで一番うまい美容師になりたい。
三浦じゃなきゃ嫌だ。
三浦自身も本当は
三浦にカットしてもらいたい。
それくらいじゃないと。
師匠の言葉
「世の中が良いと評価してくれても
お客さんが良いと言ってくれても
自分が喜ばない仕事はなんの喜びが
あるのでしょうか。」
経験した人しかわからない高みからの
景色を自分も見れるように行動していきたいと
心から思います。